生粋の印刷物フリークさんに色々聞いてみました。


http://www.fengfeeldesign.org/print_pub/

■印刷加工物に興味を持たれたきっかけは?
中尾さん「きっかけは、だいぶ遡ってしまうのですが、子供の頃(6歳とか7歳とか??)にディズニーランドか何かでかってもらったおもちゃの紙袋です。その紙袋の模様も配色にツボってしまいました。。なので、ビジュアルから入ったタイプですwww白の少し薄めの紙で、パルプのいい匂いがしてましたね。オレンジと水色と青でシンデレラ城とミッキーマウス、風船が印刷されてて、若干版ズレしてた気が、、
それから、家を出る18歳までは包装紙や、お菓子の包み紙、新聞写真の切り抜き、教科書の変な写真の切り抜きやら、レシートやら大人になってからは、街中のDM、チラシ、服のタグ、剥がれかけたシール、レストランの紙コースター、海外旅行先でみつけた広告、チラシ、フリーペーパーなどなど集めてます。旦那には捨てて。頼むから。といわれだいぶ処分してしまったものもあるんですけどね。。」

阪口「ディズニーランドー!(行った事ない…。パルブをいい匂いて感じる6歳はなかなかに変態ですねw(もちろん褒め言葉です。そういえば、子供の頃に親が、一時期流行った万博系のイベントが大好きで、付いて行かされてたんだけど、どうしようもない、なんでこうなったのか、なパンフとかの頒布モノを謎のように愛でてたのを思い出しましたw僕は、小学校で止めてましたけど、中尾さん18歳…全部見てみたいす!いいないいなあ。」


■今までに見た所謂、紙モノで、これが最高にキターーーー!!ていうのはありますか?

中尾さん「沢山あって恐縮なのですが、、、ランキングはできませんので、あしからず。※写真添付してます
上から時計回りに
1:印刷会社さんからいただいた今年の年賀状です。紙はわりと普通なのですが、注目すべきは中央の折加工です。蛇のウロコなのですが、これどうやったのか、今度聞いてみます
2:中目黒にあったアート雑貨の「杜若」というお店の袋で、裏に特色のシルバーで印刷されてて、かなり薄い紙なのですが、一瞬それに透かしいれてんのかと見間違えました。技あり! 3:キリスト教の牧師さんが配っていたチラシです。いわゆる安価な紙のチラシで、このエキセントリックなグラフィック!好きです。
4:ggg「銀座グラフィックギャラリー」で開催したM/Mの展覧会チラシです。かなりリッチな箔押しで、顔が映る位の銀!コストとか関係なしにやりたいことやってる感じが素敵です。
5:ちょっとわかりにくくて恐縮なのですが、ファッションブランドのCELINEの商品説明カード。白に小さくロゴがエンボスされてるのですが、エンボスの深さが好みです。(点字触ってる感触)
6:こちらは、サンタマリアノヴェッラという世界最古(800年!)の薬局がだしているアルメニア紙です。いわゆる「香り紙」です。紙がいい匂いするなんて、ロマンティックです。
7:お隣は今年いただいた年賀状です。アラベールっぽい紙に、黒の箔押しがしてあります。エナメルっぽい質感がでてて、オサレですね。
8:最後はチラシです。後ろが透けるくらいの紙で、昔の紙のいい匂いがします。」

阪口「ぬおお!すげえ。とくに3が気になるwもはやフォースとか飛び出しそうな世界観(笑。あと、8とかいいよね、昔はかなりスタンダードだったけど、今はこういうのは見なくなりましたもんね。なんかもう厳選したと思うんですが、選にもれたのもホント全部見たい…。今度、そういう展覧会やりましょーよ!」


■印刷や、それに纏わる加工をどのような眼差しで見ていますか?

中尾さん「職人技ですよね。本当にすごいと思います。以前ファッション誌の編集をしていた関係で、印刷工場までいって、写真の色味の調節の現場に立ち会ったことがあって、、大きな機械と無骨な男たちがCMYKの微妙な調節で私たちの頭にある色を再現してくれました。なので、印刷会社や製本会社の皆さん尊敬してます。。
なんで紙が好きなのか、、、自分でも深く考えたことがなかったのですが、やっぱり「紙」というひとつのフォーマットにインクや箔、エンボス、折、デザインが合わさったときのケミストリーで生まれたものの形としての美しさと、「触感」があるものだからなんだと思います。」

阪口「てか、編集の方だったんですね!(そこかいw。いやはや、まったく同じくです。この、よく分からない機械から、なんだか分からないけど、紙に色が付いたり…(以下同文)。しかも、腕がいい所であればある程、それは何故か、機械にただひたすら造詣が深く詳しい方達なんですよね。デザイナーやクリエイターの我侭な注文に懐深く答えていただけるていう。そこには感謝しかなくて、ホントに尊敬します。なんというか、ただ、使うだけじゃないもの。見えているものの共有みたいなものも、プリパブでは考えていきたいと思ってまして、中尾さんのその姿勢に僕は尊敬の念を感じます。」

■zineへの認識ついて

中尾さん「多分ですけど、、10年前位(私も20代前半でしたww)にスケーターカルチャー(ライアンマッギンレーとかハーモニーコリン)とか一部エッジーなカルチャーが好きな人の中で話題になりましたよね。ZINEてすごくパーソナルなことを、荒削りな状態で発信してて、だからこそ自由でクールなものも生まれやすいんだと思います。クールの定義はそれぞれですが、生まれやすいといったのは、子供の落書きをホチキスでとめたものでも、伝えたいことやものがあればそれはZINEだと思います。なので、クオリティという視点では語りにくい。10年たって、そんな表現が定着して少し裾野が広がったんだと思います。ムーブメントというよりは、ZINEという表現が定着してきた。なんか私も昔はそうだったんですが、売れる前のアーティストが売れちゃった時のがっかり感みたいな空気ってあると思うんですが、クリエイティブなものがマスな方向に進むのは、その作品の広がり=クリエイター個人の広がりという視点で考えると純粋に嬉しいことだと思うんですが、どうなんでしょう?
私はクリエイターではないからこそ、クリエイターを心から尊敬するし、そのリスペクトを人に広めたり、作品を買ったりして返したいと思っています。なので、今のこのZINEを取り巻く空気はいいことだと思っています。

阪口「プリパブ内、プリパブ外、あらゆる所で、最近、ZINEの話しをしたり聞いたります(僕がしているていうのもあるけれど。とくに日本のデザイナーの人達は、自分達を高めて来た衒いみたいなのがあると思うのですが、今の20代に対して、40代くらいのデザイナーは口を揃えて「気負いが無い」と言うのです。僕も、実はそれを感じています。この「気負い」って高めてきたものを維持する行為でもあって、同時に技術の継承でもあるのだと感じていて、その流れを軽視する訳ではありませんが、ZINEは、そういう意味で、とてもアウトローなものなのかなと思います。技術への信託を根ざすだけだったものに、別の選択を与えたというか、それらの側だった人達だけの出版という行為が、例えば「熱量」という名の元に「気負い」を無くした出版という説明が、今は当てはまるのかなと考えています。まさにZINEって日本のクリエイター向けなように感じていて、それこそ、出版という概念の延長(作るではなく)なのだとすれば、中尾さんのような立ち位置の方が、そういうスタンスで動く事に凄く意味があるというか、何かこう力強さみたいなものを感じます。めちゃんこ注目してます。プリパブとしても、そこらへん追っていきたいです。」

■日本のグラフィックデザインまたはクリエイティブの現状について

阪口「最後に。皆さん稼げてない。のがずっと続いていて、とくに30代のデザイナー、クリエイターが悶々としていると、
話しによく聞きます。僕個人としては、単に人数増えちゃって仕事の量が減った(特別感も同時に)だけだとも思ってまして、
この点に関して、どのように見て感じているかお聞きしたいです」

中尾さん「本当にそうですよね。もう新しいものやカッコイイものが溢れてて、見る側の目も変に肥えてるし、本当のプロと素人がやった仕事の差ってわかる人にしかわからなくなってますよね。私たちをとりまく環境が特にこの10年で激変して、大きくはアプリケーション、ネットワーク、そして不況、、、などなど需要と供給のバランスが完全に崩れてしまった。
実は私の夫がフリーランスのデザイナーなので、よ〜〜くわかります。でも、悲観してませんww なぜなら「稼げてない。」のレベル感にもよるのですが、私たちにとってお金を稼ぐ、ということの意味が変わってきたから。何のためのデザインで、誰を幸せにできるの?ということの方がより意味があると思っているので、誰しもに認められるより、毎月暮らせる位のお金を得るために、好きな人のために自分の好きなものを作って暮らせればよいかなと思っているから。誰でもカンタンに自分を発信できる環境を逆手にとるという方法もあると思います。ただ、それにしてもデータ化されたコンテンツの価値が低いのが問題なんですよね。そこはアフターインターネット世代の私たちがみんながハッピーになれる形を作っていかないといけないのかなと思っています。私がいまやっている”ReClip”( http://www.reclip.com )も本当の目的はそこだったりします。」

阪口「ですよねえ、印刷という一点で見ると、その気になれば誰でも「実現」出来るようになったてのもあると思ってて、プロの仕事が減っちゃって、印刷屋の苦肉の策の結果とも言えるんだけども、パンドラの箱を開けた感はありますよねえ。「デザインのひきだし」しかり。でもまあ、まさにここら辺、中尾さんと考え方が近くてですね、価値の移行が起こっただけだと感じています。若いデザイナー、クリエイター、作家、アーティストなどなどを見てると、別に悲観とかしてなくて、今の40代、50代がメインに捉えていた、所謂ところの「世界」を、単に飯食う糧でしかなくしてしまっているというか、別の箇所で、自分達の「世界」をしっかり作ろうとしていて、それを楽しもうとしている流れは実際起こってますよね。コミケ、コミティア、デザフェスなどの、各種イベントの盛況ぶりも、そこらへんをかなり示唆しているというか、かなりの大勢の人達の面白み方にかなり変化が起こっているし加速していると感じています。”ReClip”( http://www.reclip.com ) も、そういう意味で、純粋に楽しむ場所として凄く可能性があるように思います。ZINEでプリパブ絡ませろー!とw訴えつつ、是非、なんか一緒出来たらいいすね!(やっぱそのオチ…」

2013.01.15 Tuesday | 2013年1月 | 13:12 | comments(1) | trackbacks(0) |



帰ってきたGENSEKISOUND


2000年。暑くなり始めの日であったと記憶しています。山下くんが音楽を作れるんだよね発言をしたのは。そして僕はグラフィックデザインを始めたんだよって言った。それが19歳の時。それから半年後の年の暮れにGENSEKISOUNDの一作目を公開しました。10代最後の制作、として20代の始まりの公開。僕らは、あの時に何を、どのように、思いを込めて作っていただんだろうか。それを思い出すにはあまりにも時が経ってしまったし、今も、その最中の自分としては、どうにも過去のものに出来ていないというのもあって、何故か、机の奥深くに片付けてしまっていました。何故か去年の暮れに、ふと思い出して、酔っぱらった勢いで引っ張り出してみたら、デジタルデータというものは残酷なもので、あの当時のまま、まったく色あせる事なく登場を果たした訳です。なんとも下手だ。ヘタクソで恥ずかしいんだけど、何かこう、なんだろ、時間経過があるから、ある程度、美化されるかなというのがあったのに、まさかまさか、リアルタイムに思考が動き始めてしまったではないか。そう思って、それこそ10年ぶりくらいに山下くんに連絡して、何故か「まだ作ってる?」って聞いたんだよね。その時にそういえば、GENSEKISOUNDが終わる時。30くらいになったら、もう一回、再開してもいいんでないかい?ていうのも脳裏によぎって、ついつい「やろうぜー」って伝えてしまったのだ。そして何故か、「今はもう音楽は作ってないけど、オッケーだぜー」って、返事をくれたのであった。新しい再開は多分、匿名でfengfeeldesignとは関係なく、どこかで発表という事になるのだろうけど、その前に、それまでの物をどうしても出しておく必要があるような気がしたのです。GENSEKISOUNDは一旦、終わりましたが、次の新しいGENSEKISOUNDを再開する為に、その禊として。また、どこかで見たり聞いたりした時には応援してやってくださいね。その時は、もちろんGENSEKISOUNDの名前でやっておりまするゆえ。そして、若いクリエイターの何か助けになれればという事で、音源は全て著作権フリーにしておりまするゆえ、自由にお使いください。これも、「著作権フリーにしようと思ってるんだけどー」って言ったら、「いいよー、エンターテイメント重視でいこうよ。」と、ふたつ返事をしてくれた山下くんも変わってないなー、と思いつつ。このフリーダウンロードも今の時代に合わせたGENSEKISOUNDの最高のエンターテイメントとしての提示として、楽しんでいただければ幸いです。

2013年1月14日 
2013.01.14 Monday | 2013年1月 | 21:44 | comments(0) | trackbacks(0) |