花形装飾活字を愛でる その94

やっとこさ本題です。 と言っても書きたい事は脇道に逸れた時に書きまくってしまいましたが、 ようするに花形装飾活字においてその曲線の美しさは、 単に美意識によるものではなくて、 タイポグラフィにおいての裏づけのある配慮された美しさなのです。 とくに技術的な問題も含めて活版は直線的です。 花形装飾活字を罫線の延長線上と考えるなら、 なおさら直線には意識しなければならないし、 その役目も果たさないといけません。 美術的にも価値を高めるべきです。 重要なのは、 美術家でなくても使えるという前提で構築されているという点です。 曲線は美の究極であり極める事は直線の比ではありません。 それを利用する事が印刷で可能になるという夢を与えてくれました。 そしてそれがタイポグラフィにおいて配慮されている訳です。 もちろんそれも少しのルールを覚える事と工夫で簡単に扱えます。 これ以上は書かない方がいいですね。 ホントギリギリだなあ。 なんだか曲線のこだわりといってもカーブがこうねいいんだよねとか書いてませんが、 花形装飾活字において曲線へのこだわりとはこういう事だと思います。 そんなの曲線のラインがねとか美術家でないからわかんないですよ。 あくまでタイポグラフィであってグラフィックデザインですから。 そして偶然性に身を委ねるだけのものが、 この曲線にはある訳です。 完成の域とか書いてますが、 まだまだ発展途上やと思います。 それは多分、 時代とか感覚とかそういうのでどんどん変わっていく部分です。 そういう意味でまだまだ花形装飾活字は捨てられません。 あくまで「活字」で、 いっそ言語と同じでいいと思うんですよね。 文章と同じくらいに美術を言語にしちゃったわけですよ。 この曲線群ってやつはマジでスゲーのです。 単に装飾ならイメージですから、 花形装飾活字の曲線の在り方、そのこだわり、 当時の考えた人に賛美以外の何もない感じです。 こんなもんで。
2009.02.27 Friday | 2009年2月その2 | 10:20 | comments(0) | trackbacks(0) |



花形装飾活字を愛でる その93

中心に添えるばかりがシンメトリーではないし、 対称的に配する事がシンメトリーでもないのです。 何をここまでシンメトリーにこだわるかというと、 花形装飾活字こそが、 シンメトリーを追求した一つの答えだからです。 文字。 とくに英字の場合に、 A,H,I,M,N,O,S,T,U,V,W,X,YZはシンメトリーであると言えますが、 その他は完全とは言えません。 また、 文章を組む場合にはその限りではないのです。 単語の組み合わせや、 情報の在り方によってその中心は常に変化します。 逆を付けば完璧にシンメトリーよりも、 欠点のある文字が加わる事で、 そのバランスによるバリエーションに変化を与える事が出来るのです。 が、 やはり文字だけでその中心を一つの紙面の構成するには無理が出ます。 それはシンメトリーを優先するが故に、 美術的な概念は達成できたところで、 伝達性や情報性に汚点を残す事があってはいけないのです。 タイポグラフィとは、 シンメトリーであるべきだけれど、 その限りではないのです。 伝達性を欠いてまで、 その独自性や芸術性を優先してはいけないのです。 その中で悪あがきしたのが、 花形装飾活字であったのだとも考えています。 これについては、 例の友禅の雛形図案のなんたらこんたらにも通じるようにも思います。 しいて言えば、 それが装飾である必要は無いのです。 最近ではとくに記号やマーク、 ポスターでしたら、 何割かの比率で色を掛けて情報を分けたりしています。 花形装飾活字という手法は時代遅れのようではありますが、 現在に至るまでこれに変わる同じ能力の持った、 整理性に含めて芸術性も高めれる方法に出会った事がないのもまた事実なのです。 もしかよかったら、 そういう視点で楽しんでみるのも1つです。 1行の文章を単に中心に配するだけでなく、 そのバランスを意識しつつ、 花形装飾活字を活用してみるのも面白いと思います。 アンバランスなシンメトリーを是非楽しんでみてください。 という事で、 だいたいからして脇道に逸れてしまいましたので、 これを書こうとした花形装飾活字の曲線へのこだわりについてを書いていきます。 けれども繋がっていない訳でもなくって、 ちょろっと書こうと思ったら長くなってしまいました(言い訳)。 次回へ続く。
2009.02.24 Tuesday | 2009年2月その2 | 13:47 | comments(0) | trackbacks(0) |



花形装飾活字を愛でる その92

そもそも美術に関するものは、 シンメトリーが基準なのです。 それを意識せずに制作する事はいい意味で無造作ヘアー、 悪い意味で天然パーマ。 やはりここでも「意識する」というのは非常に大きなウェイトを締めています。 むしろその天然パーマを意識して直す動作こそが、 デザインでありタイポグラフィにおける素であり、 天然パーマがどのような天然パーマかという部分こそが、 身を委ねるべき対象という訳です。 むしろ修正ではなくて、 その魅力をいかに引き出すかという視点が重要です。 そしてシンメトリー。 頭の形。 髪の毛の質。 色、長さ、硬いか柔らかいか、多いか少ないか、 どこにウズがあって、どこで分かれているか、 顔や全体像との相性はどうか、 生活やスタイルにマッチしているか、 廻りの環境はどうか、 年齢は?性別は?目的は?期間は? いろんな問いに合わせて最上のシンメトリーを探りよせます。 つまりシンメトリーとは中心であり、 同時に中間でもある訳です。 が、 前回の内容に合わせて書くとすれば、 その限りではないという部分にもスポットを当てなくてはなりません。 今回の書きたい部分の肝でもあります。 タイポグラフィではどうでしょうか。 完璧なシンメトリーは可能でしょうか。 今までに多くの美術家やグラフィックデザイナーや印刷職人が、 この問いに挑戦し続けてきた事でしょう。 シンメトリー、 ああ、シンメトリー。 下手したらこれを追求し続ける事で一生が終わってしまうんじゃないでしょうか…。 とは言ってもやはり何処かで折り合いを付けなくてはならないです。 そうです。 望むべきシンメトリーは完璧でなくてななりません。 ですが、 それは無理なのです。 物事に完璧は有り得ないですし、 完璧な女性程に魅力の欠如を感じずには入られません。 何処かに欠点があるからこそ、 1つの魅力が発揮されるのです。 重要な事は丁度良い具合を見極める事です。 丁度良い具合を探す旅とは、 準備や技術や経験、知識があればある程度は達成出来ると思いますが、 そこらへんの具体的な花形装飾活字とタイポグラフィについては、 次回へ続く。
2009.02.23 Monday | 2009年2月その2 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) |



花形装飾活字を愛でる その91



当時の曲線に対する執着はスゲーと思います。 バランスに対すると言った方がいいような気もします。 そのオブジェクトに対する、 なんとも異様なまでの追求は、 現代には抜けてしまった、 感性やら雰囲気には変えがたい、 確固たる美意識がそこにはあります。 という事で、 拡大した画像を踏まえて解説していきます。 アウトラインにする際に一定の修正は加えていますが、 出来る限りの再現を心掛けました。 そこらへんのうんぬんは前回までに書いてきたとおりです。 これは今回のものに限らず、 当時の花形装飾活字、 もしくは印刷技術において、 バランスが重視されていた事が覗えます。 タイポグラフィの父、 エミール・ルーダーもこう発言しています。 「タイポグラフィは時にシンメトリーである。」 そしてこうも発言しています。 「ただし、タイポグラフィにおいてはその限りではない。」 なんのこっちゃっちゅう話ですが、 これって日本語やからわかりにくいのかもしんないですね。 文字のバランスによってはその中心を探るのは困難です。 ましてや紙の中心やバランスを、 その情報に合わせて探って鎮座させるなんて、 コンピュータじゃ絶対無理ですし、 ましてや人の手で行おうものなら目がギンギンになる事請負です。 昔からそれに関する技術や技法については編み出されてきたの事でしょう。 マックの開発者がタイポグラフィに関係していたのは幸いだったと、 良く本に書かれていますが、 本当そうだと思います。 文字間や段落等の概念をコンピュータで行う事を考えたとしても、 実際に技術者がいない事にはその発想は無かったのでしょう。 本当に幸運だったと思います。 いかに感覚でバランス養いそれを実行したとしても、 一旦、コンピュータに犯された感覚はそう簡単には取り戻せないでしょう。 それを思うと、 当時の技術者の技術にも勝るその感覚には圧倒されるばかりです。 花形装飾活字は、 装飾をするベールの奥に整理をするといった目的があります。 完全なシンメトリーが可能であれば、 このような装飾は必要では無かったのだと推測します。 もっとそういう事を気にしない装飾になっていたと思います。 もっとも実際そういう方向の花形装飾活字もありますが、 それは今回は置いといて、 地味に時間が来てしまったので次回へ続く。
2009.02.20 Friday | 2009年2月その2 | 10:50 | comments(0) | trackbacks(0) |



花形装飾活字を愛でる その90



「工夫した対称法」というか、 使っている方でマンネリ化してる方は多分ボチボチいるような気がします。 そういう方必見の方法です。 どうしても最初はオブジェクトの複雑な美しさに目が行き過ぎて、 それをそのままドーンてな具合使ってしまいがちです。 それやとヴィネットと変わらず、 花形装飾活字の本領とは言えないのです。 いえいえもちろんそのままでも十分なんですが、 それをちょっとだけテクニシャンな技がこれです。 マンネリ化するくらいに使われた方は、 違う形でもある一定の線の流れがある事に気付いている事と思います。 つまりそれらを対称的に組み合わせる方法です。 そうする事によって、 きっと今でにないオブジェクトそのものの美しさに、 組み合わした時の美しさもプラスされ、 より一層良くなるかと思います。
2009.02.18 Wednesday | 2009年2月その2 | 13:32 | comments(0) | trackbacks(0) |